人差し指がすりむけるほどに [エッセイ]

21:38 2008/06/11

人差し指がすりきれるほどに

先週の末から、私は無謀にもアドセンス(アフィリエート)に挑戦している。
コーンケーン市内にあるパソコン専門店でマイクロソフト社のビジュアルCを購入して作業している。タイ語バージョンもなく日本語バージョンも販売されていない。ここで安く入手できるのは英語版に限られている。
最初の2日、私は自分の作業に自信があった。アフィリエートのヘルプのファイルも全く読まず、他の人たちと同じようなファイルを次々と作成していった。
二三日して、私は何か言いようのない違和感におそわれた。
作業の成果が全くみられないのだ。
具体的には、たとえ一日数十円でも動くべき私のプログラムの料金メータはゼロのまんま。
アフィリエートの会社の説明書に目を通したのは、作業を開始し始めてから3日目のことだった。私はそこで初めて自分の未熟さを思いさせられることになった。
『過ぎたるは、なお及ばざるごとし』
私はインターネットで通常使用されるHTMLファイルやHTMファイルの操作に自信があった。
それで、ヘルプもなにも無視して自分流で作業を押し進めた。
画面に現れるはずの成果は毎日全く同じゼロ、私は何か自分の操作が間違っているのを直感した。
私のミスはアフィリエートの会社の情報を全く無視して作業してしまったことにつきる。
4日目、5日目と説明書の手順通りに勧めた。結果はすぐ現れた。
料金メータが動き出した。まるで亀のようにのろい。会社でたくさん月給をもらていたときにくらべても、たかだか僅か一日数十円の成果といえども、私にとっては涙が出るほど嬉しかった。
この一週間、毎日3~4時間の睡眠時間しかとれなかった。
ノートパソコンのタッチパッドを右手の人差し指のひらで何千回とこする操作をするので、指のひらが擦り切れそうな状態だ。
昔ビルマで日本の政府開発援助ODAの仕事を担当していたときに、ビルマ人の友達の技師からビルマのことわざを教えてもらった。
『膝小僧がすりむけるくらいに努力する』 (ビルマ語)
ビルマは貧しくて、大方の家は竹製の床に薄い布を敷いて、そこで眠る。
夫婦の営みの際に、膝小僧をすりむいたエンジニアや下請けの親父さんが、私に英語やビルマ語で自慢する。
『私も毎日こんなにがんばっている』 とロンジーをまくって、膝小僧を私に見せる。
そこは、紅くすりむけて、かさぶた状態になっていた。
私はあのとき、この言葉の意味が全くわからなかった。
正しい意味を理解したのは、ビルマ駐在1年近くになってからのことであった。

srachai from khonkaen, thailand

note:
ビルマでは男性も女性と同じような封筒状のサロンを身にまとう。
私も土日の休みには、ロンジー(ビルマ式サロン)をまっとって、ラングーンの町を闊歩していた。とても懐かしい。軍事政権は一昔よりは随分よくなったと言うのが私の印象だ。当時は自由に外出できてもラングーンより外には出るのは難しい時代でもあった。


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